野球の順位表を見ると、勝率やゲーム差が書いてありますが、
勝率はまだしもゲーム差ってなんぞや?と思いますよね。
他に、貯金や借金などの数字も出てきたりして、
なにがなにやらと思った人もいるでしょう。
このように、野球にはいろいろな数字がありますが、
まずは、これから順位表の見方とその数字を説明していきますね。
野球の順位表の見方と勝率
まず、順位表が何のためにあるのか?目的を確認しましょう。
そのために、日本のプロ野球の仕組みからおさらいしていきますね。
プロ野球選手が何のために試合をしているかといえば、
ズバリ、所属チーム日本一!のために試合をしています。
あ、もちろん給料のためもありますけどね(汗)。
で、日本一になるまでには以下の3つの順に試合をこなさないといけません。
1.レギュラーシーズン(ペナントレース)
パ・リーグあるいはセ・リーグ内でのリーグ戦。
1球団あたりの試合数は、リーグ内の5チームと各25回で、125試合。
それ以外に、他リーグの6球団との交流戦が各3回で18試合。
つまり、合計143試合となります。
いやぁ長いですね~。
この中で勝率が高いチームがリーグの1位になります。
なので、勝率は絶対的に必要な情報です。
他におまけとして、勝試合数、負試合数、合計試合数などが付与されます。
これらレギュラーシーズンが終わると、
各リーグの1,2,3位のチームが日本シリーズへの出場権をかけて
各リーグのクライマックスシリーズに挑みます。
2.クライマックスシリーズ
各リーグ1,2,3位でのトーナメント戦。
余談ですが、クライマックスシリーズ(CS)という呼び方は日本プロ野球固有で、
一般的な呼び名はポストシーズン(戦)やプレーオフといいます。
クライマックスシリーズでは、
まず、ファーストステージで3位と2位が2勝先取で戦い、
セカンドステージでは、勝ったチームと1位が4勝先取で戦います。
ちなみに、セカンドステージでは1位のチームには
最初から1勝がアドバンテージとして付与されています。
そりゃそうですよね。1位にはそのくらいあってもいいですよね!
だって、3位チームからの下克上もありえるわけですから。
そして最後に各リーグのクライマックスシリーズを生き残った1チームが
ようやく日本シリーズへと進みます。
3.日本シリーズ
日本シリーズは最大で全7試合、
その中で相手チームより先に多くの勝ち星を取ったチームが念願の日本一の座を掴みとります。
なので、最短で4連勝すればそこで日本シリーズ終了になり、日本一が決定します。
ということで、CSと日本シリーズはトーナメント戦なので、勝率などは(基本)不要です。
逆の言い方をすれば、順位表を使うのはレギュラーシーズンだけと言えます。
野球の順位表のゲーム差解説!貯金、借金の関係も
それでは肝心のゲーム差ですが、順位表では単に<差>と書かれていたりします。
これは、レギュラーシーズン中にどのくらい勝てば1つ上の順位に上がれるのか?
の目安となる値です。
もそもレギュラーシーズンの順位とは、勝率を使った相対的なものです。
なので、たとえば1位のチームがどのくらい安泰なのか、
あるいはすぐに逆転されそうなのか、勝率だけではピンときません。
たとえば、1試合目の1勝と、最終日143試合目の1勝では
勝率への影響は全然違いますし、雨天中止などで、
消化試合数=勝率の母数も変わってきます。
具体的には、次の3連戦で全勝にする順位にどう影響するか?
などは、勝率だけでは、わかりにくいわけです。
だから勝率の代わりとなる、わかりやすい数字が必要になるわけですね。
それが、貯金、借金とゲーム差です。
まず貯金と借金から説明します。
順位というのは勝率からくる相対的なものなのでわかりにくい。
さから逆に絶対的な基準を作り出すわけです。
それが勝率5割。
勝ち数と負け数が同じ状態ですね。
各チームの力が全く同じであれば、各チームの勝率は最終的には5割になります。
そもそも、各チームプロですから、みなさん一定のレベルはお持ちなんですね。
よって、そんなむちゃくちゃな差はなく、よってこの5割というのは案外妥当な数字なんですね。
そしてこの勝率5割を貯金0=勝ち負け同数として、
勝ち数が多ければ貯金XX、負け数が多ければ借金YYとなります。
たとえば、30勝20敗なら 30-20=+10なので、貯金10
逆に20勝30敗なら、20-30=-10なので、借金10
という具合に使います。
なお、引き分けは0.5勝+0.5負=0となるので無視します。
そして、ゲーム差は簡単にいうと、この貯金と借金の数の差を2で割った数です。
なんで2で割ってるのかというと、1試合の差がゲーム差1の方が直感的にわかりやすいからです。
言い方をかえると下位チームがその数を全勝して、
上位チームがその数を全敗すれば同率になるという数字にするために2で割っています。
・・・なんですが、ちょっとわかりにくいので以下、例を提示します。
11勝9負のAチーム
と
10勝10負のBチーム
のゲーム差を考えて見ましょう。総試合数は20試合で同じです。
貯金&借金から計算すると、Aチームは貯金2。Bチームは貯金0.
(2-0)/2=1 で1ゲーム差ですね。
1ゲーム差なので、概念的にはAチームが1敗して、Bチームが1勝すると、
どちらも、11勝10負で同率=ゲーム差ゼロになります。
つまり相手が負ける前提で、何勝すれば追いつくのか?を知るためにゲーム差が計算されます。
このように覚えてくださいね。
では、54勝50負のCチームと50勝51負のDチームの
貯金、借金、ゲーム差はどうでしょう。
54-50で貯金(+)4
50-51で借金(-)1
4 - (-1)= 5 ←貯金、借金の差を計算します。
5/2 = 2.5ゲーム差 ←2で割ります。
となります。
実際に
Cチームが3負すると、勝率54(54+53)=.5047
Dチームが3勝すると、勝率53(53+51)=.5096
と順位が逆転します。
だから試合数的に2.5試合となるわけです。
野球の順位表のゲーム差のまとめ
・ゲーム差とは勝率では自分の位置がわかりにくいので導入されたわかりやすい数字。
・ゲーム差とは各チームの勝数と負数の差を2で割ったもの。
・又は、下位チームがその数を全勝して、上位チームがその数を全敗すれば同率になるという数字。
ということを抑えておけばバッチリです。
しかし、レギュラーシーズンに143試合もやって、
CSで3位に下克上される1位の気持ちってどんなんかなーと思うのは私だけでしょうか。
もっとも私は見ているほうなので、下克上ロマンがあって面白いと思ってしまい、
ちょっと罪悪感ですが、この罪悪感がまたロマンを引き立てますね(爆)
罪悪感という意味では呑み会の帰りに食べるラーメン。
これもまたロマン!。
それでは、今回はゲーム差についてご説明しました。
ご清聴ありがとうございました!